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写真家Melanie Pullen
写真という推理小説

ハイファッションを着た死体モデル
見たいという欲望への吸引力

見たいという欲望は我々に失望という陰を与えるのかもしくは希望という光を与えるのか。Melanie Pullenから見るモードの死。

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大内順子氏が亡くなって、また1つ何かが弾ける音がした。
それは、日本にモードを伝えモードを持って来た時代の終わりなのかもしれない。
そんな想いで大内順子氏への記事を先日書いたのだが、
僕たちには、もうモードに対して「見たい」と思う欲求がなくなったからだろうか。
モードやファッションは、提供に惰性的だったのだろうか。
それとも、日常の情報の落ち葉に覆いかぶさったのだろうか。

 

始りは欲求にあるように、何かを求める行為そのものに形が残り
見えないものには見たいという想いを衝動化させ、そして何かが生まれる音がする。
そして、それを見た瞬間に失望として全てが終わるか、希望という始まりになるかだけである。

 

そんな想いを巡らせている時に浮かんだのがMelanie Pullen(メラニー・プーレン)である。
彼女を知ったのは2003年くらいだろうか。その後2005年に「High Fashion Crime Scenes」を出版する。

 

hs-Melanie-Pullen1

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http://www.highfashioncrimescenes.com/

 

独学で写真を学んだ彼女は、ニューヨーク・ロサンゼルス市警の犯行現場ファイルを基に、
実際の現場を再現。モデルのアクセサリーや服にはGucciやChanelやBvlgariなどのハイファッションが使われた。

 

hs-Melanie-Pullen2

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hs-Melanie-Pullen3

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hs-Melanie-Pullen4

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hs-Melanie-Pullen5

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hs-Melanie-Pullen6

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19世紀以来に犯罪現場写真は専門カメラマンによる撮影になり、単純に証拠を保存するための理由でない
撮影カットが多かった。そこには、カメラマンとして、いや人間として、本質的な「見たい」という欲望が投影された。
80年代は、この手のアンソロジー写真集は多く、日本でも70年代の写真週刊誌Fridayや、当時のLIFEも同様だった。
そこには非日常の最たるものとして、死体が写し出されており、恐いもの見たさという吸引力があったからに違いない。

 

写真の魅力として、見えないストーリーを作ることを見る側の想像力を駆り立て刺激し合うといった
推理小説的な見方が楽しかったりもする。
今回、このタイミングでMelanie Pullenを紹介したのは、そんな推理小説は時代と共に受け手やジャンルが変わると
受け取り方が違うように思えるのを、部屋に飾ってある写真集の表紙を見てふと思ったのだ。

 

大手メゾンもデザイナーの人気や話題頼りになってきた時代。
Saint LaurentはHedi Slimane 。Masion Martin MargielaはJohn Galliano。
モード界の後出しジャンケンは今後も通用するのか。

 

モードは死んだのだろうか。
失望という陰か。希望という光か。
「見たい」という欲望をどこまで引き出せるのだろうか。
私たち次第で世界は変えられるという光を今の時代に合わせてもっと集めなければならない。

 

hs-Melanie-Pullen7

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