Boutique!展が私たちに問いかけたものとは? | Epokal

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アートとファッションの
新しい融合が私たちに
問いかけることとは?

私たちに最も身近でありながら掴みきれないその実像
にアートの手法で迫る実験的な試みからこれまでの、
そして、これからのファッションのあり方を考える。

5minutes

アートとファッションの
新しい融合が私たちに
問いかけることとは?

私たちに最も身近でありながら掴みきれないその実像
にアートの手法で迫る実験的な試みからこれまでの、
そして、これからのファッションのあり方を考える。

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アートとファッションの
新しい融合が私たちに
問いかけることとは?

私たちの生活に欠かすことのできない
ファッションとは一体何なのか?

「もし、急に避難することになったら、何を着ていきますか?」
「今、あなたが着ている服をつくるのに、どれだけの材料が必要だと思いますか?」
「その服の価格は、価値に見合っていますか?」
そんな質問を投げかけられたら、あなたはなんと答えますか?

 

これは、先日まで開催されていたある展示の紹介文の冒頭だ。
あなたはこれらの質問にすぐに答えられただろうか?
自己表現の手段や日用品として私たちの生活に欠くことのできないファッション。
一言にファッションと言ってもその定義は曖昧だ。使われる文脈によって包含する意味は異なるし、
使う人によっても様々に解釈され得る。

冒頭で紹介した展示とは、フィンランドのAmos Anderson Art Museumで開催された
「Boutique ‒Where Art Meets Fashion」展をベースに、日本人デザイナー、アーティストを
新規に追加して開催された、「Boutique! —ファッションって何?アートと考える、その姿。」というものだ。

私たちにとって非常に身近な存在であるファッションを切り口に、アーティストとファッションデザイナーとが
ペアを組んでアートワークを制作し、「当たり前」を問い直す展覧会だ。普段、何げなく使っている
ファッションという言葉の意味を再考する手法として、アートのアプローチを使用した非常に興味深い展示であり、
ファッションデザイナーとアーティストがペアを組んで作品を制作するというプロセスは、これまであまり前例が
なかったように思われる。

 

参加したフィンランドと日本という2つの国の才能が、価値と価格、生産と廃棄、 美の基準、機能と装飾などを
テーマに映像、彫刻、絵画、インスタレーションといった多彩な作品を発表していた。

例えば、アーティストのテロ・プハとファッションデザイナーのティーム・ムーリマーキは、身体、ジェンダー、
セクシュアリティ、理想の美といったファッションが本質的に抱える課題に取り組んでいる。
ファッションは(身体的に)理想的な性差、外見上の「空虚な約束事」を作り上げているが、これらの理想像に対し、
広告の表現を用い批判的なスタンスを表現している。

 

artmeetsfashion

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http://www.amosanderson.fi/

彼らは「Body Beautiful (Remix)」という名前の香水を開発し、それを通じて如何に理想的な美が作り出され、
どのようにその基準が作り直されていくのかを、問いかけている。
また、どのようなビジュアルイメージを用いれば魅力的な商品に仕立てあげられるか、ブランディングについても
考察した作品となっている。

 

服飾デザイナーのティモ・リーサネンとアーティストのサラ・サリーンは、最も差し迫った課題の1つである
大量消費文化にスポットを当てている。
シーズン毎に変わる急速なトレンドに大きく依存するファッションは、まるで使い捨ての日用品のように
消費されています。
彼らは、Tシャツを実際に縫って販売するパフォーマンスをおさめた映像を組み合わせたインスタレーション作品
「15%」(一般的な洋服は、全材料の85%のみを使用し、残りの15%は廃棄されているという。)を展開している。

 

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http://static.squarespace.com/ 

それを見た消費者は、自分たちの消費に対する責任に気がつくでしょう。
持続可能性の先駆者であるファッションをどう考えるべきか。
衣服のイデオロギーとラグジュアリーはどのように関係しているのか。
人と環境を使い果たさないような洋服の生産工程を構築するために、どんなことを考えるべきか。
グローバル市場経済における価格の正当性について疑問を投げかけます。

 

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L) http://www.cinra.net/ R) http://3.bp.blogspot.com/

 

元マリメッコのデザイナー、サム=ユッシ・コスキと画家でイラストレーターのカティア・トゥキアイネンの作品は
“Girl Evacuees(少女避難民)”。
本作は、カレリアの避難民(第一次~二次世界大戦の際にフィンランドのカレリア地方がロシアに占領され、
避難した人々)に焦点を当てている。
カレリアの人々は、故郷に危機が迫ったとき、わずかな大切な物を手にし、一番上等な服に身を包み、
特に既婚女性はドレスを着てその地を去ったと言われている。
本作でサムがデザインしたドレスは、彼の祖母からの実際の話と古い写真に写ったカレリアの女性達が
着ていたドレスに基づき、そこに新たな解釈を加えて現代的にアレンジしたものとなっている。

 

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L) http://itm.news2u.net/ R) http://media.tumblr.com/

 

そしてこのドレスを着るマネキンは、イラストレーターとして活躍するカティアが描き出すキャラクターで、
彼女らが住む“Shangri Laa Laa Land”という架空の国からGreed(貪欲)とIntolerance(偏見)によって
追い出されてしまった女の子たちなのである。
避難民となった彼女たちですが、美しいドレスを身にまとった姿を見ると勇気、自由、歓喜等を彼女らからは
奪い取れないという事を想起させる。

 

シューズデザイナーのミンナ・パリッカとアーティストのヤニ・レイノネンは著作権侵害、真正さ、偽物、といった
アートとファッション双方にとって核心的で本質的な問題を取り上げている。

 

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http://2.bp.blogspot.com/

 

彼らは、現実性と独自性とがアートとファッションの礎を築いてきた一方で、ファッションでもアートでも、

盗作や著作権侵害、アイデアの盗用が行われない世界は存在しないのだと主張し、鑑賞者に挑んでいる。
会場には超現実的な空間を思わせるブースを設置し、その内側にはレイノネンがポップアートの要素を取り込んで
作成した壁紙が張られ、その奥にはパリッカが本展のためにデザインした靴が展示されています。

 

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L) http://minnaparikka.com/ R) http://www.sandrascloset.com/

 

この靴は本物、それともコピー商品でしょうか?真のオリジナリティとは何かを考えさせる作品である。

一般的には、ファッションと言えばもちろんそれは、服それ自体の事を指すことが多いだろう。
時代と共に移ろい、一過性の強い流行とも言い換えられる。

しかし、昨今では様々な要因からファッションそのものの影響力が低下し、時と場合を選ばない差支えない
ファッションとしてノームコアなる言葉も現れ、トレンドとなったようにあまりにも主張が強い服は好まれず、
消費者の中でもファッションの優先順位は確実に低下している。

そんな時代だからこそ、今回紹介したBoutique展のような取り組みが有用なのではないかと思う。
身近にあり、当たり前すぎて意識することがあまりないものはファッションだけではないが、
間違いなく今ファッションは岐路に立たされている。

そして、ファッションデザイナーだけでは実現が難しいテーマにアーティストとペアを組むことで、
挑んでいることはこれからのファッションデザインにとっても一石を投じる意味があるのではないだろうか?

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