UniqloとHelmut Lang,Jil Sanderのコラボにみるファッションの行方 | Epokal

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「ちょうどいい」新たな
ファッションを創るか?
Uniqloと亡霊の戯れ

ファッションはいつも「過剰」なものから
創造されてきた ミニマリズムの旗手は
「ちょうどいい」に何を思うのか

4minutes

「ちょうどいい」新たな
ファッションを創るか?
Uniqloと亡霊の戯れ

ファッションはいつも「過剰」なものから
創造されてきた ミニマリズムの旗手は
「ちょうどいい」に何を思うのか

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「ちょうどいい」はファッションを創るか?
Uniqlo+Minimalismの亡霊たちの戯れ

ファッションはいつも「過剰」なものから創造されてきた
ミニマリズムの旗手は「ちょうどいい」に何を思うのか

また、いつものようにコレクションサーキットの時期がやってきた。
今となっては、昔のように心躍るような期待感も見た後の感動もないに
等しいファッションシーンからは、何の感情も持たない陳腐なアナウンスが
リピートされ続けている。
自分が変わったのか。それとも環境が変わったのか。またはその両方か。
そんな無意味に氾濫する情報の中でも以前恋い焦がれた相手の名前を
見つけると反射的に反応してしまう。
最近もそんなことがあった。
それは、錦織圭フィーバーに沸いていることであろう、あのUniqloによる
ものであった。
名前に反して全くユニークではない、画一化されたユニフォームを
Life wearと銘打って販売するその企業が、Helmut Langとのコラボを
行うというではないか。

 

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0.1秒後には自分でその思考を否定することになったのだが、ほんの
一瞬だけ、本人がデザインを行うのだろうかと間の抜けたことを考えてしまった。

というのも、Uniqloは以前に、ファッションシーンにおけるミニマリズムの
代表としてHelmut Langと同列に語られる、Jil Sanderと協業による+Jを
発表していたからだ。
+Jを知った時の私には、Jil Sander本人がデザインを担当するにせよ、
当時Jil Sanderのクリエーティブディレクターを務めていたRaf Simonsが
担当するにせよ、落胆する選択肢しかなかった。
しかし、キャンペーン写真と店頭に並んだ+Jの商品を目の当たりにして
言葉を改めなければならなくなった。”悪くなかった”のだ。

 

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http://hypebeast.com/

 

Jil Sanderのいちファンとして上質な生地選びと鋭いカッティングが脳裏に
焼き付いて離れない私は、決して手を出すことはなかったが、希釈されて
いるとはいえ、Jil Sanderのエッセンスは感じることができ、本家の1/100で
買える服に魅力を感じた人も少なくはなかったはずだ。
人によっては、「ちょうどよい」と感じたかもしれない。
+Jの発表時にJil Sanderが語った協業の理由は詭弁にも聞こえるもので
あったが、悪くないものを悪いとは言えない。
しかし、わずか4回の商品発表でコンサルティング契約を解除した一番の
理由は売れなかったからだろう。
実際に、第一弾は話題性もあり、売り上げも伸びたようだがそれ以降は
思ったようなJil Sander効果はなく、いつの間にか消えていった。

 

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Jil Sanderは自身のブランドでも辞任と復帰を3度繰り返していることを
考えると何の不思議もないが、UniqloとHelmut Langとのコラボレが
発表された今回のタイミングで、+Jも再開されるというのはミニマリズム
信奉者の一人としては感慨深いものがある。
Helmut Langは、ファッションにおけるミニマリズムの極点に達した唯一の
デザイナーであり、未だに多くのデザイナーに影響を与え続けている。
前述のJil Sanderもミニマリズムという括りにおいては、同列に語られることも
多いが最初にミニマリズムを打ち出し、世界を構築したのはHelmut Langだ。

 

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http://3.bp.blogspot.com/
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http://4.bp.blogspot.com/
 

彼についての詳細は、Epokal内の別記事『Front Row』を参照して頂きたいが、
2005年に自身のブランドのクリエーティブディレクターを辞任して以降は、
ファッションと距離を置きアートに傾倒し、恐らく今後も戻ってくることはないで
あろうその潔さとある意味醒め切った眼差しには、今の同ブランドや今回の
コラボレーションはどのように映っているのだろうかと考えずにはいられない。

 

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http://images.fastcompany.com/
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http://upload.wikimedia.org/

 

こうした一連の動向を見ていくと、Helmut Lnagという人の志向と姿勢には、
彼が創り出したファッションを超えて、彼という存在自体に魅力を感じずにはいられない。
もちろん、今回のUniqloとのコラボレーションも本人ではなく、ディレクターを
務めているAlexander Plokhovが担当している。
Cloakを立ち上げ、Versaceのデザイナーも務めた実力派デザイナーであるが、
コマーシャルのためにHelmut Langという看板を使ったというのは邪推だろうか。
今後も継続されるのかはわからないが、今回はスウェットメインのコラボになるそうだ。
これも決して悪くはなく、「ちょうどよい感」を感じる。
しかし、これはあくまでも個人の感想であるが+Jも今回のHelmut Langも、
知人の言葉を借りると、「昔の恋人が犯されているようで見るに堪えない」ものだ。
Jil SanderやHelmut LangとUniqloやH&MとMartin Margielaをはじめとする
一連のコラボレーションを耳にするたび想起するのは、H&Mとコラボした直後に
「良いものは高い」と言い放ったcomme des garcons 川久保玲の姿だ。
当たり前だがファッションもビジネスである以上、売れなければ成立しない。
消費者として何に重きを置くのかも人それぞれでいいだろう。
ただし、形だけを真似ることは誰にでも出来るが、Helmut LnagやJil Sanderが
創造した世界はその服に袖を通した者しか感じることは出来ない。

 

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http://3.bp.blogspot.com/
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http://2.bp.blogspot.com/

 

そして、「ちょうどよい」ものからはファッションカルチャーは生まれないと信じている。
何かが過剰であることがファッションを創造する。
都会でしか着ないとしても、極地を目指すためのスペックのジャケットを
手にしたいと思ってしまう。
既製服において何が本物かといった話は別として、ただそこにあった本物を
知ってしまった以上、それを志向せずにはいられないのがEpokalの姿勢だ。
売り上げのためにコマーシャルも重要だ。
ファッションはコピーされてなんぼとも言えるが、本物のファッションは消費され
続けてもなお、僕たちの中に生き続ける。
果たして、ユニクロがミニマリズムの亡霊たちと作る服にその奥行きを感じる
ことが出来るのだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

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