Apple Watch・Google Grassと宇宙服に見るデザインの止揚 | Epokal

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テクノロジーの進化と
デザインにおける止揚
の重要性と可能性

最先端ウェアラブル端末と宇宙服開発にみる
進化するテクノロジーとデザインにおける
アウフヘーベン(=止揚)の重要性

3minutes

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デザインにおける止揚
の重要性と可能性

最先端ウェアラブル端末と宇宙服開発にみる
進化するテクノロジーとデザインにおける
アウフヘーベン(=止揚)の重要性

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テクノロジーの進化と止揚
が切り開くデザインの未来

最先端ウェアラブル端末と宇宙服開発に
見え隠れするテクノロジーとデザインの止揚の関係性

常に「更新」は行われていながらも、「進化」ということになると最も遅れていると
言われているファッションにおいても、テクノロジーはその進化のカギを握る
重要な要素である。

 

皆さんは先日発表されたApple Watchのデザインをどのように感じただろうか。
発表前から著名なプロダクトデザイナーであるMarc Newsonがその開発に参加
しているという噂が飛び交い、非常に期待が高かった製品であり皆さんの評価も
様々であると思う。

 

shiyou015

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https://www.apple.com/

 

人々は常に進化を求めているが、多くの人は急激な進化は望まない。
Apple Watchなどのウェアラブル端末は今後私たちの生活に変化をもたらすであろうと
期待されているが、Apple Watchのインターフェースデザインには、それが「時計」である
ことを象徴するようにリューズが用いられており個人的には優れたUIデザインであると感じた。

 

Apple Watchに関しては、上述のMarc Newsonのプロジェクトへの参加の他にも、昨年7月に
AppleがYves Saint LaurentのCEOであったPaul Deneveをヘッドハントし、特別プロジェクトに
参加するというニュースが流れ、ファッション業界に少なからず衝撃が走ったことも記憶している。

 

このことは、Apple Watchに先駆けて発表されたグーグルグラスなどにも言えると思うが、
どこかアナログな眼鏡のデザインを意識的に残しており、ファッション性の観点から見ても
「全くない」ということはない。

 

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 http://sp1.cbsistatic.com/

 

ファッションデザイナーにもそのように感じたデザイナーがいたようで、diane von furstenbergの
ショーではGoogle Grassをかけたモデル達がランウェイを歩いていた。

 

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L) http://images.canberratimes.com.au/  R) http://www.wwd.com/

 

こうしたデザインを見ていると感じるのは、デザインにおけるアウフヘーベン(=止揚)の
重要性だ。
アウフヘーベンは、ドイツの哲学者ヘーゲルが弁証法の中で提唱した概念で、
「古いものが否定されて新しいものが現れる際、古いものが全面的に捨て去られるのでなく、
古いものが持っている内容のうち積極的な要素が新しく高い段階として保持される」という
理論であるがファッション、特に日本のファッションにおいては、この止揚があまり積極的に
は機能していないように感じる。

 

例えば、日本を代表するcomme des garconsの川久保玲は反骨精神や既成概念の
否定によってブランドを駆動させてきたが、もはやそのコンセプト自体に縛られ袋小路に
陥っているようにさえ見える。

 

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 L) http://media.style.com/  R)http://media.style.com/

 

以前、ファッションにおける最先端テクノロジーを用いた新しいデザインへの取り組みを
記事で紹介したが、ランウェイで発表する服だけがファッションではない。
MIT(マサチューセッツ工科大学)で教鞭をとるDava Newmanはファッションデザイナーの
肩書を持つが、彼女がデザインした服はパリ・コレクション向きではない。
彼女が研究開発しているのは、「BioSuit」と呼ばれる宇宙服だ。

 

shiyou015

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http://wired.jp/

 

宇宙服の開発については、Epokalの中でもソ連の与圧服開発について書かれた
vkk-series』があるので、そちらも是非参照して欲しい。

 

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http://wired.jp/

 

これまでの宇宙服開発においてはデザイン性というより安全性が重要視されてきた。
これは、宇宙空間という特殊な環境で着用することを考えると当然のことだが、その結果、
現在宇宙飛行士が装着しているものはかさばって作業がしづらく、デザインにおいては、
魅力的なものであるとはとても言えない。
こうした状況で、Dava Newmanが開発を進める「Bio Suit」はSF映画やアニメに登場する
ような体にフィットしたデザインのものである。
これまで全部で500回近く行われてきた船外活動だが、火星有人探査が行われるようになれば
ひとつのミッションで1,000回程度の船外活動が必要になるという。
また、そうなれば宇宙飛行士はかつてマロリーがその人生を懸けたエヴェレストの約3倍の高さが
ある火星のオリンポス山を登ることにもなるだろう。
ソ連軍が実験を繰り返したように、真空の宇宙空間では人体への与圧が必要となる。
「Bio Suit」では半剛体の特殊な繊維を採用することで可動域を確保しながら、機械的に
逆方向へ圧力をかけている。

 

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http://wired.jp/

 

宇宙空間において安全を確保するのに必要な圧力のためには、膨大な長さの繊維が必要で、
それらはスーツの重要なポイントを通りつつ、140,000針以上のシームで縫い付けられている。
BioSuitの開発には、既存のさまざまなアイデアをベースとして形状記憶合金や、ナノ繊維など
現代の最先端技術が活用されている。
現在、使用されているNASAの宇宙服は多層なので機械ではうまく縫えないという理由から
すべてが手縫いによって製造されているのは有名である。
断熱材がとても薄い素材で、7~8層の構造になっており、機械で縫うとズレが生じてしまうから
という理由から手作業で行われている。
おそらく、「Bio Suit」の開発においても手仕事が活かされていると推測される。

 

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http://wired.jp/
 

 最先端の繊維を何重にも重ねた生地を手仕事により、さながらオートクチュールのようにして
作られている宇宙服は、まさに止揚のたまものと言えるだろう。
最先端技術が詰め込まれた宇宙服を一針一針縫うお針子のおばちゃんは、宇宙服と同時に
現在と未来を縫い繋げているのかもしれない。
実用化にはまだ課題も多いようだが、宇宙服のような分野においてもデザイン性が求められ、
現代のテクノロジーによってそれが徐々に実現されようとしている。
宇宙服は現代における究極のデザイン対象の一つと言えるが、テクノロジーの急激な進化を
受けて、デザインにおける止揚の重要性はファッションのみならず、あらゆるデザインにおいて
高まるのではないだろうか。
そして、EpokalのUtopiaにおいて創られていくであろう様々なファッションアイテムは、
様々な知識と蓄積した技術に裏打ちされリアルさを追求したものになっていくだろう。

 

 

 

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