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Reverse Weave
すべてのスウェットの
チャンピオン

ヴィンテージの価値は膨み続けながら
単一的でないレートを生むだろう。
それが古着という完成度でもある。

縫製にユニオンスペシャルを採用しているChampionがチャンピオンを冠した理由。答えがクオリティということなのである。

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払い下げやスリフトではない、本当の古着屋にはじめて入った時、

ボロボロの袖口に古めかしいステッチが途切れ途切れに飛び、
糸くずにまみれたスウェットシャツに釘付けになった。

同時にプライスカードの00の数を疑うという経験を、
古着やヴィンテージの匂いを記憶のなかに抱えている人であれば必ず持っている。

もしも、そうした埃と黴の入れ混じった小箱を開けたことがなくても、
知っていてほしいと願う居心地がきっとあるだろう。

古いボディの前後にはめ込まれたV字形のガゼット、ハリヌキの巾広さや袖口やヘムラインのリブの長さに
価値があるということを実として体験したからこそ、嗅覚が冴えてくる。

 

僕たちのChampion

僕たちのChampion

https://www.tumblr.com

 

1950年以前の古いパターンでしか見られないFreedom Sleeveカットについて知ったのもこの時。
それに、これらアメリカンアパレル制手工業最高の時代に活躍した、
「ユニオンスペシャル」という古い古い旧型のミシンで仕立てられたということさえも。

 

半世紀以上もまえに生産されたモノが10,0000円そこそこで手に入れられることは、
価値のあることなのかもしれないし、ぼったくりの助平根性だと言う人もいる。

このことは、既に知り捨てられたことである。

何はともあれ、ヴィンテージと銘打たれた一着の服であることに、で在るが故に、
様々な声があがることも動かせない事実である。

僕はといえば、その価値よりも希少さよりも、このモノ自体に惹かれたことを強烈に感じている。
多分、今「Duxbak」なんかのヴィンテージスウェットを手にしたなら、きっと切ることだろう。
フリーダムスリーブはどうしてこの形状になったのか、両Vの伸縮率は正しい補正をとれるのか、
等々、そのものが持つ意味を解きたい。だから僕は鋏を入れる。

 

僕たちのChampion

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https://www.tumblr.com

 

中途半端なヴィンテージ風味のコピーにはゴミほどの興味もないので、
カットしたパターンを再構築という言葉を使ったサンプリングすることもない。

意匠を感じる時間こそ大切であると堅くする。

パターンカッティングやデザインの光彩ほどそそるものはない。
作り方や工程のシミュレーションは記憶を通り超えて当時の職工たちへとつながる景色になるからだ。

 

そうは言っても、これにはよっぽどのヴィンテージコレクターか変わり者の金持ちにしか響かない
プライスタグが付けられていることにかわりはない。
今後、将来に渡って底上げされてくる価値は絶対の玉数と同調して単一的でないレートを生むだろう。

それが古着という完成度でもある。それを指をくわえて待っているのならそれも構わない。

だが、僕たちにはあの頃も今日も、オールアメリカンの路頭に迷うことはない。

Champion社製のスウェットがいつもそばにあるからである。

ヴィンテージの世界に踏み込めば、当然それ相当の希少価値と雰囲気を備えたスペックが存在する。

Vガゼットやハリヌキ、後付けフードにフリーダムスリーブとはそういうレベルであり、
Championには時代を超えて紡ぎ続けた歴史とスタイルがある。

一種の偏執は或る時には形遅れ、時代遅れともされるのかもしれないが、今、時勢はChampionのものである。

そう、僕らのそばにはいつもReverse Weaveがあるのだ。

 

僕たちのChampion

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http://www.hanes.com/champion

 

ジャズエイジと呼ばれたニューヨーク華の時代は1919年に創業のChampionは、
1934年に代表作であるReverse Weaveを開発。現在までつづく究極に達した製法である。

1940年代には襟ぐりの伸縮補強パーツであるVガゼットを確立させた。

ヴィンテージと呼ばれるスウェットシャツのマスターピースはChampionから発せられたと言うべきではないか。

それから、Championは途絶えることなく「made in USA」を作り続けてきた。

創業してまもなくの頃から冠る「CHAMPION」は伊達ではないのだ。

上質な目をもった顧客が最高のディテールを求めていることを知るこのファクトリーは、
縫製に「ユニオンスペシャル」のフラットシーマーを採用している。

上糸と下糸の特殊なテンションを生み出すこの風変わりなミシンは、設定も調子も、
使用する針・糸・布それから気候や湿度によって大きく動く。

リバースウィーブの柔らかい縫い目を僕たちに提供できるかわりに、
調整は無限の要素を考慮しなくてはいけないのである。

決して現代的な多産工業には向いているとは思えないが、Championの答えはクオリティということなのであろう。

 

このことについてのプロセスにミルスペックの事実がある。

古着好きにはおなじみのこの基準は、世界最高レベルの厳格さで通っている。

アメリカ陸・海・空軍の軍装品に課せられたテストは、
死ぬか生きるかのために必要な基準を厳しく管理しているのである。

この研究開発機関の目をクリアして、Championのスェット、Tシャツがトレーニングウェアとして採用された。

この領域は僕らのとは言えないが、ミリタリータグのついた第二次世界大戦時におけるChampionのスウェットや、
同時期に展開したカレッジスウェットの発端でもある士官学校のウェアは
Championの誇るクオリティの証言として伝説の域にあたる。

 

リバースウィーブの生命線である伸縮性の着心地を保証するフラットシームは、縫い合わせる生地を、
文字通り平たく重ねて2本針ステッチでタタいて縫製する。

こうすることで肌さわりは格段に良くなるが、スウェット地の伸縮限界を超えた運動域に入ると、
およそ1/5インチ程の縫い代は意外と抜けやすいのではないだろうか。

スウェットシャツの様なアスレティックを前提としたパターンで最重要なのは、やはり袖部分の構成である。

スウェットシャツ黎明期において、袖下の脇直下の縫い目の破れをなくすために考案されたのが、
高い位置にラグラン線を保ち、袖下のパートを一つなぎとした前述のフリーダムスリーブであろう。

剣先の様な形状のカットがボディから裁ち出し、三角形の補強布の役割を果たした。

工業生産性からみても巧みのとれたディテールである。何よりも縫い目の表情がとても美しい。

スウェットシャツに多く見られるもう一つの袖の形状は、セットインスリーブと呼ばれるものである。

現状のほとんどすべてのスウェットシャツに採用されているが、
正確に言うとこれはセットインではない。基本的なシャツスリーブである。

やはり運動量を確保するために上腕の張りを出来る限りカバーした幅広いカットが採られる。
平面に広げてみたとしたら、袖の頂点から重心の低い三角形が上腕部分を覆い、
袖口に向けてテーパーのかかったハンマーヘッドのようなカットが見られる。

肩からの延長線もほぼ平行であり、脇下の十分なゆとり分は棚シワとして現れ、太さはこうして得られる。
野暮ったいとばかり思われる肉厚なシルエットにはこうした意味がある。

また、基本的であるが故に生産性に長けている。布地を裁断する際に、
どのように裁っていくのかを計算するパターンの配置にも効率的であり、縫製も易しく汎用性がある。

逆にフリーダムスリーブの様に鎖骨上に構造線を持つ袖はこの肩線と、
袖の三角形の高さによって腕の方向や角度を生んでいる。

 

僕たちのChampion

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リバースウィーブとは縦・横の糸と織りの発想転換を独自に開発した高機能伸縮が売りの素材であり、
運動機能のクオリティはミルスペックの保証つきである。

当然のことながら最初期に作られたのはコットン100%の素材であったが、
1960年代に入ると消防法によって裏起毛のコットン100%の素材を使用することが禁じられた。

このため1965年にはじめて、コットンに化学繊維を混紡したリバースウィーブが開発されている。
同時に発汗と吸湿・放湿の関係も劇的に改善されたのである。運動着は当然、洗濯されることを考慮しなくてはならない。
それもハードにだ。この時、洗濯とこの素材特有の縦縮みに対応するために、
開発部が採った措置は着丈を長く設定することであった。このサンフォライズドの精神は偶然にかどうか、
リバースウィーブがスウェットシャツにしては、それまでにないロング丈であることにつながった。

着る側は、もちろんアスレティック選手に限らない。
アメリカ中のカレッジシーンでChampionがチャンピオンを冠することが出来たのは、
こうしたデイリーユースの着心地とスタイリッシュな形が多くのハートを打ち抜いたためである。

 

僕たちのChampion

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http://life.time.com

 

NYで誕生したこのアスレティックウェアは全米中のカレッジファッションに欠かすことの出来ないアイコンになった。

1990年代のアメカジブームでは、ヴィンテージには届かない手で最高のモノを求める日本のニーズにも応えた。

まして、昨今のユニオンスペシャルを求める見識眼は、ここ東京から発信されたと言ってもいい。

背景を見透かす力は今や世界規模のスタンダードである。

 

繊細なセンスファッションに敏感な日本のストリートにこそ、Championたる由縁を着てもらいたいと願いつつ

オールアメリカンを郷愁するのは、全米中のパーティー学生よりも僕たちの方なのかもしれない