これまでのモードとこれからのモード | Epokal

menu

MONOTONE 事実

既に終わりを告げた
20世紀型の「モード」と
これから先の「モード」

オートクチュールという聖域によって形成された
ファッションシステムからの脱却が新しいモード
を創るかもしれない。

4minutes

既に終わりを告げた
20世紀型の「モード」と
これから先の「モード」

オートクチュールという聖域によって形成された
ファッションシステムからの脱却が新しいモード
を創るかもしれない。

4minutes

READ LATER

既に終わりを告げた
20世紀型の「モード」と
これから先の「モード」

20世紀型ファッションレジームからの
脱却はどのようにして行われるか?

先日、とあるトークイベントに参加した。
平川武治氏が主宰する、le pli会というイベントだ。
平川氏は日本では数少ない本物のモード・クリニシェとして、30年以上パリでのコレクションをその眼で見てきた人だ。
その出で立ちや言説からは、知性とセンスを感じる本質を識る人だと感じる。

 

lepli

lepli

http://studiovoice.jp/

 

不定期で開催されるこのイベントでは、氏が長年ファッションゲットーに立ち居場所を作り、
その中で見て感じてきたことをもとにしてこれからのファッションがどのように変わっていくべきなのかを提言している。
今回はwiredの編集長である若林恵氏がゲストで参加されるとのことで、非常に興味を持って参加したのだが、
思っていた以上に収穫があった。
まず、平川さんの話の前提となっているのは「モード」のクリエーティヴィティはすでに終わっているというものだ。
1988年にマルタン・マルジェラが登場しそこからマルジェラがディーゼルに買収された2002年までの十数年の間に
いわゆる「モード」とよばれる文脈における考えうる衣服の解体・再構築はおおむね行われており、
そこに進化の可能性は残されていないという。

 

lepli

lepli

L)http://24.media.tumblr.com/ R)http://www.fashionoffice.org/

 

先日紹介した写真家のMelanie Pullenの記事でも触れられていたが、やはりあの頃私たちを夢中にした「モード」は
既に死んでしまったのかもしれない。
では、これから重要となるのは何なのか?
ファッションに限定すれば、オートクチュールという「針と糸」で構築された聖域を作ることで自らをブランディングして
きたが、テクノロジーや昔ながらの技術を見直し駆使することでインフラを整備することで、針と糸で構成された
ヨーロッパを中心とする世界から解放されることでアジア圏に新しい世界を構築することを提唱されている。

 

lepli

lepli

http://zsozso.co.uk/
 
lepli

lepli

http://www.bocamag.com/

 

これはあくまでも個人的な見解ではあるが、平川氏は終戦の年に生まれ、日本という国が大きな転換期に
差し掛かっている時代を生きてきた方で、日本が社会として抱えていた欧米へのコンプレックスを自らの
知識と行動によって乗り越え、その過程で日本への愛国心を持つようになったのではないかと考えているが、
その上でイエローモンキーたる私たちが、西洋と同じ土俵ではなくアジアに独自の環境を築くことを提唱している。
正直、私たちの世代で日本に生まれながらここまで愛国心を感じる提案を何の躊躇もなく受け入れることが
できるだろうか?
提唱されている内容には非常に共感するとともに実現する可能性はともかく、それ自体の可能性は感じる。

 

こういった話を聞いていると、私たちがいかに西洋が作り上げてきた文化的基準の中で生活しているのか
ということを思い知らされる。
そして、日本における「モード」とは、彼らが築いてきた文脈の中で、小さな差異を大きく見せようともがいて
きた歴史であるように感じてしまう。
20世紀的なグローバリゼーションの流れに無抵抗に飲み込まれるのではなく、まず自分の中に独自の
基準を作り風土や風俗に根差したモノづくりが必要になっているのではないかというという示唆を感じた。
しかし、着物にも何かしらの「気づき」が隠されているかもしれないという可能性までをも否定することは
これからのモノづくりの姿勢としては合致しないのかもしれないということなのだ。

 

そして、もう一つ氏の講演の中で興味深いトピックスに「スローファッションとスロークローズド」の
可能性というものがあった。
昨今、エシカルファッション(素材の選定、購入・商品の製造・流通に至るまでの過程において、発展
途上国からオーガニックコットンを購入し、天然染料で染色した生地をフェアトレードで輸入し販売する
などの倫理的・環境的に正しいとされることに配慮して作られた衣服を身に着けること)といった言葉も
生まれているが、ファッションにおけるサスティナビリティを生産・消費の両面から考えるべきで、それが
一つの価値として受容されるべきではないかというものだ。

 

lepli

lepli

http://yanemode.files.wordpress.com/2013/08/yane-mode-slow-fashion.jpg

 

その例として、PUMAが開発したシューズや衣料品のシリーズが「Cradle to Cradle」証書を獲得した
事例が紹介された。
この「Cradle to Cradle」証書とは、その名の通り「ゆりかごからゆりかごへ」ということを科学的に認証
するというもので、先に紹介したシューズや衣料品はすべて、生分解または再利用可能なものであるという。

 

lepli

lepli

http://www.ecouterre.com/
lepli

lepli

http://www.theleaderoftomorrow.com/

 

また、パタゴニアが2005年から開始した着古した自社製品を回収し、リユース・リサイクルするシステムを
2013年からはH&Mが開始した事例なども紹介されている。
現代社会において進む情報化によって、こういった取り組みが一定の価値を持つことによって、それまで
私たちの中でイメージとして共有されてきたブランド価値は、透明化が進むことである程度相対化され、
購入の決定的な動機としては機能しなくなるのではないかとも考えられる。
いずれにしても、閉じられたファッション世界ではミクロ的視点でのみ小さな差異を生み出し、
「売る」ということがゴールとなっているが、消費者としても生産者としても従来の枠組みの外の視点や
知識が無くては遅かれ早かれ淘汰されるだろう。
そして、その知識をもとにセンスある製品を生み出し、選び取ることで新しい価値の循環が始まるのではないだろうか。

 

Part2へつづく…。

 

lepli

lepli

 http://samataangel.com/wp-content/uploads/2014/05/westwood_11_rgb.jpg
READ LATER

EDITORS UTOPIAの「WANT」ボタンを
押したプロジェクトが表示されます。

EDITORS UTOPIAへ

※この情報はCookieで保存されています。
※SNS連携・記事のシェア等はされません。

    「READ LATER」ボタンを
    押した記事が表示されます。

    ※この情報はCookieで保存されています。
    ※SNS連携・記事のシェア等はされません。