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幻想の中でのみ輝いた
「FACTORY」のアイコン
イーディ・セジウィック

子供のままでいることが存在証明の
ミューズがファクトリーという幻想
から抜け出した時に掴んだものとは

「子供のままでいること」が存在証明だったミューズが「ファクトリー」という幻想から抜け出した時その手に掴んだものとは一体何だったのだろうか?

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「アイコン」という言葉にしてしまえば簡単だが、その代償は大きい。

誰もが守りたくなるような繊細で中性的な美しさ濃いアイメイク、先端をゆくファッションスタイル
そして、アンディ・ウォーホルのミューズ。

イーディ・セジウィックは、その存在がひとつのカルチャーとして記憶される。

 

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 L)http://media.vogue.com/ R)http://www.bobadelman.net/

 

もしかしたら、周囲から求められるのと同じように彼女は自分自身にも、「ずっと子供であるように」と
言い聞かせていたのかもしれない。

大人になりきれない、童心の「アイコン」。それが彼女の魅力だった。

アンディ・ウォーホルの「ファクトリー」には著名で多彩な人物が行き来していた。
夜な夜な繰り広げられるのは、ただのパーティーとは違うらしく、そこにはドラッグと創造性が点在していた。
招き入れられるものは皆、ただその瞬間を生き、そこで刻まれる時がそのまま時代となった。

 

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http://media.onsugar.com/

 

出会う人を純真な瞳と人懐っこい笑顔で迎える、音楽のなかで舞う細いシルエット。

イーディの弾ける笑顔が、かえってふとした表情の暗い影を際立たせる。

裕福な家庭で生まれているものの、父の厳格さや偏愛、精神病院への入院や兄の自殺と彼女は多くの問題の上に
成り立っていのだが、全てを覆い隠すかのように当時のイーディを取り巻くものからは微塵も感じさせない。

ファクトリーという空気が作り出すスーパースター。
周りが過剰に構い、膨れていった幻想。彼女は幻想のなかを生き、輝きを放った。

写真を見つめながら、流れ星のように瞬く間に去っていった彼女の幸せな時間は、いったいどこにあったのだろうと
思わずにはいられない。

それとともに、ファッションというものの刹那的な儚さと美しさ、虚しさを投影せずにはいられない。
まさしくアイコンという言葉の代名詞のような存在だった。

 

 

有名なショートヘアと同じくロングヘアーの写真が何枚か残っているが、どれもパーティーガールとは程遠い
素朴で穏やかな表情が多い。
まるで自らの意思で得た名声と転落ではなかったのだと、語りかけてくるようだ。

 

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 http://www.fashionmagazine.com/

 

アンディたちは、大人が憧れ、希望する姿をイーディに託したのではないだろうか。
もてはやされる日々の一方で、幻想を抜け出して大人になることは許されない。

もしかしたら、ボブ・ディランとの出会いを機にイーディは周りの希望とは異なる方向へ
進むことができたのかもしれない。

だが、外の世界でいくら大人になろうとしても、自分にも増して周囲に創り上げられた存在である
彼女にその手を拒む以外、選択肢はなかった。

そうして、子供でいることが自分を守る手段であると信じたかったのだろう。

 

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http://rock.ge/

 

しかしファクトリーという幻想から突き放されて、ぐらついた地と混迷に寄りかかり、彼女は沈んでいった。

人生を形づくる象徴的な自分の存在を、どこかに認めなければいけないのだとしたら、彼女の場合、それはニューヨークで
過ごしためまぐるしい日々が大半を占めるのではないだろうか。
若くして永遠のアイコンとなる姿がそこにはあった。短命であることも、ずっと前に悟っていたと言われている。

 

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http://www.sheramag.com/

 

晩年のイーディは、自分という存在が自身のアイコンに飲み込まれてしまった、その人生に思い置きつつ
大人になること、現実に生きることを、確かに掴みかけていたはずだ。

 

Text by Eri Matsushita(User Writer)