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何事にも固執せずに築く
ライフスタイルは自身が
撮る写真に反映される

トレンド的なファッションではなく
スタイルを持ったNYのリアルシーン
をスナップする

トレンド的なファッションではなくスタイルを持ったNYのリアルシーンをスナップするというスタイルはフラットな感性とファッションの感覚から生まれた

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ストリートスナップというと日本人には馴染みがあるかもしれないが、
海外においてその存在と魅力が認知されたのは、意外なことに最近の
ことだという。

 

雑誌「STREET」や「FRUiTS」、「TUNE」などは海外も含めてストリートの
ファッションスナップというジャンルを確立したパイオニア的な存在であり、
目にしたことがある人も少なくないだろう。

 

「STREET」や「FRUiTS」誌の創刊者である青木正一氏やシトウレイ氏などに
スナップを撮られることがファッショニスタの間で一種のステータスになるなど
裏原世代からそれ以降の原宿を中心としたファッション・コミュニティーを
象徴するような存在となったスナップ。

 

それは良くも悪くも、あらゆるモノやコトが並列な価値で受容されてきた東京を
含む日本らしいカルチャーに一つなのかもしれない。

 

しかし、テイストこそ違えどNYには以前ご紹介したEpokalでもご紹介した
ビル・カニンガムが数十年という長きにわたりストリートにおいて
ファッション・スナップを撮り続けている。
そして、その長い年月と彼の意志やセンス、人柄彼自身をNYのシンボル的な
存在へと押し上げたわけだが、やはりそこに映し出されるものには、ある種の
ジャーナリズムを感じるのに対して上記の雑誌をはじめとする日本のストリート
スナップにはそういった「固さ」は感じない。

 

批評性などを強く感じることはなく、それこそ、まさにストリートのありのままの姿が
「記録」されているように感じる。

 

そんなストリート・スナップをNYで独自に撮影し、表面的なファッションではなく
そこにスタイルを見いだそうとしている日本人がいる。

 

watarubobshimosato

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http://www.anunknownquantity.com

 

彼の名は「Wataru bob shimosato」。

大学進学を機に渡米し、純粋な好奇心からNYでストリートスナップを撮り始め、
今では様々な媒体からスナップ撮影やルックブックの依頼が舞い込むという。

Epokalが掲げるストリートカルチャーのアップデートにも通ずる彼のスタイルに
迫るべく、今回のインタビューを敢行した。

 

Epokal(以降 E) : 今回のインタビュー以前からEpokalをご存知だったということで、
とても嬉しいです。どういった経緯で知っていただいたのでしょうか?

 

Wataru bob shimosato(以降S): Facebookで知人が記事をシェアしていたのを
読んだのがきっかけで、それ以降、時々拝見しています。
サイトのビジュアルもカッコイイし記事の内容も好きなものが多いので、今回お話を
頂いたときは嬉しかったです。

 

E : そうなんですね、ありがとうございます。そう言っていただけるなんて光栄です。
私は、他のwebマガジンで下里さんのスナップを拝見して、NYのスナップを日本人の方が
撮っているのかと思って興味を持って、今回声を掛けさせていただきました。
早速なんですが、どういった経緯で渡米して現在のストリート・スナップを撮影する
というところに至ったのか簡単にご説明頂けますか?

 

S : 僕は長野県出身で、大学進学を機にこちらにきました。中学・高校とテニスに
熱中していたのですが、高校3年の時に進路を考えなければならなくなり、
周りは割と早くから受験勉強していて、気づいたら自分が行きたいと思えるような大学は、
その時点から勉強しても間に合わないなと思いました。
浪人するという方法もあるにはあったのですが、明確にやりたいことが決まっていた
というわけではなく、それなら海外に出て、最低でも英語が話せれば日本に戻ってきても
何かしら道があるかなという気持ちで留学することを決めました。

 

E : なるほど。アメリカに行くまでは特にカメラや写真に興味があった
というわけではないんですね。アメリカの大学では何を専攻されていたんですか?

 

S : こちらに来てからも、最初に入学した大学から別の大学へ編入していまして、
日本で言うところの経済や経営が専攻でした。はじめに入学した大学は、
一応ニューヨーク州ではあるんですがマンハッタンなどの中心部からは
かなり離れていて、まわりにはトウモロコシ畑しかないような田舎でした。
入学前には休日はシティにいけるのかなと思っていましたが、車で行っても
8時間かかるような距離だったので全然無理でしたね。

 

E : 片道8時間はすごいですね。ニューヨークっていうとやはりマンハッタンなどを
イメージしますからそのギャップは厳しいかもしれない。
じゃーそのあとは、中心部の方の大学に編入したんですね。

 

S : そうですね。ただ、やはり大学で勉強することには熱中することができませんでした。
それで授業をサボって街を歩いていた時に、ストリート・スナップをやったら面白いかも
しれないと思って、ルームメイトにカメラを借りて見よう見まねで撮影し、ブログに
アップし始めました。
そのうちに、日本の雑誌から声がかかるようになって、今に至ります。

 

E : そこでストリート・スナップを始めるというのがすごい気がしますが、ファッションは
昔からお好きだったんですか?
というのも、ファッションの感度が写真、とりわけストリートの写真表現には欠かせない
要素なのではないかと感じており、今その点を掘り下げて考えているのですが。

 

S : 高校が私服通学だったので、高校の頃くらいからファッションに興味を持ち始めました。
お洒落な先輩や友達からショップやブランドを教えてもらったりして。

 

E : 制服がないのは大きいですよね。困る人もいるでしょうけど、そこでファッションに
目覚める人も多そうですね。

 

S : そうですね。自分がまさにそうで、当時はジェレミー・スコットとか着てました。
今は大分変わりましたけど。

 

E : 確かに今のイメージからは想像できませんね。ファッション・スナップを撮るということ
について具体的に伺っていきたいのですがNYだとスナップのレジェンド的存在として
ビル・カニンガムがいたり、style.comでもスナップを掲載しているTommy Ton、
東京ベースだとシトウレイさんなんかが有名だったりしますが、彼らに対して意識的に
差別化したりということはあるのでしょうか?

 

watarubobshimosato

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http://www.anunknownquantity.com

 

S : 意識的に差別化しているようなことは特にありませんが、被写体として選ぶ人自体が
違うのかなと思います。
自分は、クライアントさんがいる場合は別ですが、ブログにアップするということで
考えるといわゆるオシャレをしている人にはあまり興味がなく、自分のスタイルが
確立されている人に惹かれて写真を撮っているので、そういった意味ではパッと見では
オシャレではない人も多いかもしれません。

 

E : なるほど。コレクションの開催期間中にスナップされている人は全てではないですが、
下里さんがおっしゃるようなスタイルを持った人ばかりではないですよね。もちろん服が
似合ってはいるのですが。
ただ、下里さんのスナップを見ているとスタイルを持った人であることはもちろんですが、
着こなしだったり、バランスだったりにファッションの要素を感じるのがとてもいいと
思います。

 

S : ありがとうございます。NYでは基本的にファッションに気を使わない人は、全く気を
使わないですし、だからこそファッショナブルな人がいると目立つということもあるのですが、
そことは少し違うところに惹かれることは多いです。

 

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E : それでもファッションのセンスや感覚を感じられるか、そうでないかはファッションが
好きな人にしかわからないことではありますよね。独特と言われれば独特なのでしょうが。

 

S : それはあると思います。知人のミュージシャンが最近写真を撮ってもらっていたのですが、
それがあまりピンとこなくて。僕が撮ろうかって提案しているんです。
そういったこともあって、写真を撮る技術はあってもかっこいい写真を撮れるかというと
そうではなくて、ビジュアルに対する感覚というのは別物だと思っています。

 

E : ある意味感覚的なことではあるけど、センスを持っているかいないかの差は
大きく現れるように感じますよね。

 

S : ビジュアルへのこだわりという意味でもベースにファッションがあると
違うのかなと思います。

 

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E : 5年以上NYの街とそこで暮らす人たちを撮ってきているわけですが、その中でファッションや
スタイルに変化を感じることはありますか?

 

S : スタイルに関してはあまりないですね。
もちろん、トレンドとしてのファッションは変化していると思いますが、先ほども言ったように
自分に限っては一番興味があるのはそこではないので。
ただ、コレクション期間にスナップを撮る人の数はかなり増えましたね。わざわざそれだけを
撮るためにコレクションになるとNYにくるような人が多く、コレクションのゲストたちも
スナップされるために着飾ってきているような感じもします。

 

E : そんなに増えたんですね。ああいった人たちは昔から一定数いたのかと思っていました。
コレクション期間中に、そういった場所では撮影しないのですか?

 

S : クライアントからの依頼があればもちろん撮ります。
ただ、個人のブログ用ではあまり撮ることはないかもしれません。
撮ったとしても他の人は撮らないような人を撮っていると思います。

 

E : なるほど。コレクションという意味ではニューヨーク以外にロンドン、ミラノ、パリなど
コレクションが開催されますが、撮ってみたい国や街はありますか?

 

S : コレクション期間中にスナップを撮ることにはあまり興味がないかもしれないですね。
強いて言えば、ベルリンには以前から行ってみたいと思っています。
ファッションに興味を持ち始めたきっかけとなったBLESSというブランドがベルリンを
ベースにしていることもありますし、周りの人からもベルリンはいいと聞くことが多いので。

 

E : ベルリンはいいみたいですね。BLESSは僕も好きでショップにも行ってみたいと思っています。
今は宿泊もできるようになっているみたいですよ。
下里さんが撮ったベルリンの街と人は見てみたいですね。

 

S : 宿泊できるのは知りませんでした。それを聞いてなおさら行きたくなりました。

 

E : 東京はいかがですか?今だからこそ撮りたいみたいなことを思われたりしませんか?

 

S : そうですね〜、どうしても東京を撮りたいという気持ちはないかもしれないです。
以前一度撮りに行ったことがあるのですが、そもそも声をかけても撮らせてくれる人が少なくて。
キャッチの人だと思われている感じすらありました。
NYはよほど急いでいる人でなければ基本的に撮らせてくれるので。

 

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E : そういったところにも違いがあるのですね。確かに日本では知らない人から声を
かけられて写真を撮らせてくれる人は少なそうなのは容易に想像できます。
Epokalでは、その東京で生まれたストリートカルチャーである裏原カルチャー以降、
大きなうねりが発生していないと考えており、雑誌の創刊を始めとしてストリート
カルチャーのアップデートがコンセプトの一つになっています。
ストリート・スナップを撮られている下里さんはそうしたカルチャーのアップデートや
ムーブメントについてどのようにお考えですか?

 

S : 難しいですね〜。ただ、今のようなネット社会で個人の嗜好が多様化していると、
一つのムーブメントが裏原の時ほど大きくなるのは難しいのではないかと思います。
当時はネットがそれほど普及しておらず、ある程度情報が制限されていたからこそ
あのような大きなムーブメントになったのかなと思います。

 

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E:なるほど。確かにその側面はあると思います。
しかし、一方では今のような時代だからこそできることもあるようにも思います。
最後になりますが、下里さんの今後についてお聞かせください。
具体的な目標ややりたいことなどはありますか?

 

S : 具体的な目標は特にないですね。というのも、自分はあまり目標を立てないようにしていて、
その代わり目の前のことを全力でやろうと思っています。それが次に繋がっていくと思っているので。
次が写真じゃないかもしれないし、ずっと写真を撮っているかもしれないし。
未来のことは誰にもわかりませんから。
スナップを通じて築いた人との関係性は大切にしながら、自分が面白いと思ったことを
少しづつやっていきたいです。
近々、知人とアクセサリーブランドをローンチさせる予定があるので、
今はそちらにも力を入れています。

 

E : アクセサリーブランドも面白そうですね、興味を惹かれます。
スナップも含めてこれからも下里さんの活躍を期待しております。

 

S : ありがとうございます。

 

目の前のことに全力で取り組むことで、開ける世界がある。
おそらくそれを理解している人は少なくないだろう。
しかし、それを本当の意味で実践し生活を愉しんでいる人は少ないのかもしれない。

何かに固執せず、フラットな感性でおもしろきことのないこの世を面白く生きる彼のスタイルと、
彼が写すNYのリアルからあなたは何を感じるだろうか?

 

watarubobshimosato

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《Profile》
Wataru”Bob”Shimosato
長野県出身。2009年より渡米。翌年12月、ストリートスナップブログ「An Unknown Quantity」を開始。スナップを通して独学でカメラを学び、国内外の様々なファッション媒体へスナップを提供している。度々メディアでも取り上げられ、アメリカの新聞Daily News紙にてブログを紹介される、WWD Japan誌ではインフルエンサーとして取り上げられる等、現在ストリートスナップフォトグラファーとして注目の一人。モデルとしても活動する傍らファッションブランドのディレクションも手がけるなど、NYで活動の幅を広げている。黒髪ロングヘアーがトレードマークで、最近は友人の坊主と「ロン毛と坊主とニューヨーク」というNYライフスタイルブログを開設し毎日更新中。
instagram : @watarubob
Official HP : http://anunknownquantity.com
Another Blog : http://longe-bose.nyc