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2人の共犯者が仕掛けた
朝5時5番街の奇跡

原作者カポーティの作品を超える
嫉妬しか生まれない皮肉

原作者カポーティの作品を超えるタイトルをも飲み込んだ2人の共犯者理想と現実が乖離する美しき無意味

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最近面白い子に会った。
初めて会ったときにカポーティを思い出し、理想と乖離した現状から出る言葉の端々に、
あの名シーンを思い浮かべる。

 

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「ティファニーで朝食を」

車も人もいないNY5番街の早朝5時に、黄色いタクシーから降りるオードリー・ヘップバーン。
華麗なジバンシィのドレスに合わせるのは、コーヒーと紙袋に入ったデニッシュ。
そして、ヘンリー・マンシーニのムーン・リバーが流れ、お酒が残った足どりで家へ帰る。
この最初のシーンの2分30秒がこの映画の全て。
野心と儚さと強がりと素朴さと偽りと嘘をジバンシィとオードリーという2人の共犯者が完成させる。

 

 

実際にティファニーでは朝食なんか食べれなくそんなシーンは存在しない。
そして、タイトルより有名になってしまったのは。
強いて言うならば、カポーティの存在すら消してしまうくらいの1stシーンは、
タイトルのティファニーの存在すら影を潜めた。

 

あのシーンには、貧乏な田舎育ちの主人公オードリーが、真逆の生活を夢見て象徴の鏡にティファニーを存在させる。
夜通し豪華なドレスに身を纏い、様々な富豪と出会い遊ぶ。その美貌を生かしお金のために危ない橋をも渡る。
家には何もないスーツケースと名もない猫。猫のような主人公オードリーにあるのは理想と闇。
理想はうまくいかないと、闇へ姿を消して自身を納得させるための言葉を拾う。

 

ht-Tiffany2

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原作者カポーティもジバンシィやオードリーに飲み込まれた1人。
主人公に大ファンだった、マリリンモンローを考えていた。
当時、制作会社が拘束力があった時代で、モンローはフォックスと契約しており、映画化権利をもっていたのは
パラマウント・ピクチャーズだった。だが、あのジバンシィのドレスは、モンローではなく、
確実にオードリーだっただろう。結果、見た人に全ての記憶を残させる名シーンは生まれた。

 

ht-Tiffany3

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着る人とブランドが、タイトルブランドや原作者をも飲み込んでしまう
強烈なインパクトを最近のファッションで感じただろうか?
1stシーンの2分30秒で凝縮されている人物の背景とストーリーを描き出す名シーンは、
他力本願な時代の背景に色濃く残り、ファッションという偉大さを与えてくれた。

 

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最後のシーンは、答えに当たるシーンなのだが、名もなき猫を捨て理想と思っていた場所へ向かうオードリー。
理想が意味をなさないことに気づいた瞬間に雨の中、名もない猫を呼び探す。
雨の中の濡れるオードリーは、全ての意味のなさを知り全てが洗い流された。主人公でない実在のオードリーの顔になる。
全てを捨てて、雨に流される美しさを感じ、ファッションという型やモデルや素材は、
一度濡れて見ないと本当の姿が分からないのかもしれない。
1stシーンを見事に裸にした最後のシーンは、ある意味本当の姿を見ないままの方が良かったとさえ思うが、
今の時代の人やファッションは濡れるための雨が必要な気もする。

 

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そんな名シーンを想い、
寝起きで白いシャツを着た女性を背後で感じながら、
カポーティの大好きだったジンライムをストレートで飲みたいという無意味な理想が頭をよぎる。

 

ht-Tiffany6

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