ファッションに灯は誰によって守られるのか | Epokal

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果たして「新しさ」とは
何によって創られるのか
その一つの答えは?

新しさの根幹を支えるのは
作り手とそれを享受する者の
倫理観と審美眼なのかもしれない

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果たして「新しさ」とは
何によって創られるのか
その一つの答えは?

新しさの根幹を支えるのは
作り手とそれを享受する者の
倫理観と審美眼なのかもしれない

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果たして「新しさ」とは
何によって創られるのか
その一つの答え?

新しさの根幹を支えるのは
作り手とそれを享受する者の
倫理観と審美眼なのかもしれない

ファッションはいつだって繰り返してきたが、それは新陳代謝の歴史とも言える。
創設者の名前を冠したブランドは、紆余曲折を経てどんどん新しい才能を取り込み
その時代にフィットしたクリエーションを私たちに提供している。

Epokalでもクリエイティブディレクターの交代劇については、度々取り上げてきたが
最近でもAlexander Wangが手がけていたバレンシアガの新しいクリエイティブ
ディレクターにVETMENSのDemna Gvasaliaを起用することが発表され、ちょっとした
話題になった。

上述のバレンシアガCD交代時には様々な憶測が飛び交い、sacaiを手がける阿部千登勢の
名前が挙がっていたり、Alexander Wang交代のきっかけが新生グッチで新鮮な印象を
創り上げているAlessandro Micheleの存在があったなどと囁かれていた。

交代に伴う賛否両論はさておき、いわゆるコレクションブランドのCDとは多少異なるが、
英国の老舗靴ブランドが思い切った起用を行った。それが、あのJohn Lobbだ。

 

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http://noctismag.com/

 

そのJohn Lobbがロンドンのセント・マーチン出身のデザイナーで、自身のブランド《1205》を
立ち上げたPaula GerbaseをCDに起用することを今年の初めに発表し、サビルローで経験を積み
英国の伝統への深い理解と女性らしいデザインを融合して、新しいJohn Lobbのイメージを
打ち出した。

 

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http://static01.nyt.com/

 

この起用にどれほどの賛否両論があったかどうかわからないが、知名度や話題性が優先される
ような旧態依然のものではなく、新しいイメージと優れたプロダクトを創造出来れば、知名度は
さほど重要ではないという流れの先駆けにも感じ、あまりにもコマーシャルに傾きすぎている
ファッションの世界において、数少ない希望の灯を感じた。

これは、前述のAlessandro Micheleにも同様に感じることであり、彼はブランドイメージを
一新させたコレクションだけではなく、最近では上海の美術館での展示にキュレーターとして参画
するなど、GUCCIの名前とともに自身の世界観を押し拡げている。

 

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http://www.wmagazine.com/

 

そのPaula Gerbaseが自身のデザインのスタイルについて、「古くて新しい服を作っている」と語っている
ことも印象的で、旧いものは破棄されるのではなく、更新され新たな価値を生み出すことを実践する彼女の
姿勢には、能や狂言、歌舞伎といった日本の伝統芸能の継承者たちの姿がダブって見える。

 

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http://weareselecters.com/

 

そして、何よりも彼女が優れている点として挙げられるのは、本質を見極めようすることで培ってきた
審美眼があり、そのスタンスが創造されたものから伝わってくることだ。

John Lobbでのクリエーションに限らず、自身のブランドにおいても本質を追求し、職人への敬意を払い
ともに創造していこうとする姿勢には、好感を持たずにはいられない。

 

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http://weareselecters.com/

 

「新しさとは何か」というファッションにおける難題に対して、あるものはテクノロジーで
アプローチし、またあるものは過去に答えを求めている。

ファッションという非常に曖昧なデザイン領域においてそうしたアプローチは無数に存在し、
絶対唯一の回答などはないのだろう。

繰り返しているだけのように見えるファッションにおいても、そこに「新しさ」以外の何かを
感じることができるか、できないか。

この差はなんなのだろうかと考える時、その一つの拠り所となるものが倫理観であることは
間違いない。これは品やプライドと換言してもいいかもしれない。

それが外見だけの単なるコピーなのか、オマージュなのかという昨今話題に上がることも多い命題は
その明文化が難しく、多くの場合それを見る者に委ねられる境界線の設定は、上記によって定められる
のではないだろうか。

それはファッションに限らず、東京オリンピックのエンブレムデザインの問題など新しいものを
創りだそうとする様々な現場においてに共通して問題となりうる。
時代の移り変わりとともに生まれる新しいスタイルには、新しい倫理観がリンクしている。

様々な立場があっていいし、多様性を確保することは新陳代謝の活性化にもつながるが、
新しくなければファッションに非ずと言わんばかりのファッションには、新奇性こそ
感じてもそれ以上は何も感じない。

新しいものはすぐに旧くなる。果たして「新しさ」とは何なのか。
大きな転換点を迎えているであろうファッションの世界で、今後どんなものが新しいものとされ、
価値を持っていくことになるのか。

その判断はいつでも、自らの審美眼と倫理観に頼るほかない。

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