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Acronymが追求する
誰の印象にも残らない
衣服が示す方向性

透明になるインターフェースのように
性能の進化と反比例する見た目の
シンプルさを追求する衣服の創造

透明になるインターフェースのように性能の進化とは反比例する見た目のシンプルさを追求するAcronymの衣服に見るファッションが向かうべき一つの方向性

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カテゴライズされたファッションブランドやアイテムの中で、
その枠を超えた普遍的な存在をクリエイトできるデザイナーは
そう多くはないだろうし、そのような人は自らをファッション
デザイナーと自覚していないものも少なからずいるだろう。

以前、Epokalの記事でも取り上げた旧ソ連の宇宙服開発の過程でも
宇宙空間という未知なるフロンティアを想定して開発に携わった者達に
ファッションという概念はなかったであろ。

ここでいうファッションとは、=衣服としての意味ではなく、文化的な
側面が独自に発展してきたものであり、外部の環境から身を守るという
プリミティブな欲求とは切り離されたものだ。

外部環境から身体を保護するという意味において、建築との共通点を
見いだすこともでき、Final Hommeの津村祐介氏などは、そこに従来と
異なる文脈を見出し、ファッションの可能性を押し広げた。

 

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http://www.finalhome.com

 

多くの産業がそうでるのと同様にファッションも軍需が開発の先端を
走っていることも少なくはない。
古くはトレンチコートで有名なバーバリーやマッキントッシュのゴム引き
素材、最近ではヴェンタイルなどの機能的なテキスタイルなどはよい例だ。

そうしたテキスタイルを使用し、人間が着用するという意味では
れっきとした衣服のデザインではあるが、モードあるいはラグジュアリー、
ストリートなど一般化したいわゆるファッションカテゴリーの中でも、
ミリタリー・アウトドアというカテゴリーはやはり独特の魅力を放っている。

もともとは、厳しい自然環境下での着用を想定されてデザインされた
それらのウェアが持つ強さは、無駄を排したもはや道具を持つような
感覚を与え、見る(着る)ものに「〜風」や「テイスト」といった言葉の
陳腐さを沈黙を持って伝える。

最近では都市での生活を前提にデザインされたウェアも多く、都市を
はじめとするあらゆる生活環境に適応することが可能という意味では、
究極的な衣服に数えられる。

そんなアウトドア・ウェアブランドの中でもErrolson Hughと彼が立ち上げた
ACRONYMひときわ異彩を放っている。
デザイナーであるErrolson Hugh(エロルゾン・ヒュー)は、1994年に
Acronym Agencyをスタートし、これまでにARC’TERYXやBurton、
Tilakなど様々なブランドの外部デザイナーとしても活動している。

 

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http://www.acronym.de

 

アウトドアウェアブランドの最高峰であるARC’TERYXが都市生活における
快適性とデザインをさらに追求するために立ち上げたスペシャルラインである
ARC’TERYX VEILANCEのファーストシーズンでデザイン企画を担うほか、
Burtonにおいては12年以上も黒子でメインデザイナーとして取り組み、
ブランドの代表作とも言えるiPodジャケットも生み出すなど、確固たる
地位を築いている。

 

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http://fourpins.com/

 

現在でも自身のシグニチャーであるACRONYMの他に、Stone Island Shadow Project、
Herno Laminar、そして、今年復活して話題となったあのNIKE ACGのデザイナーにも
迎えられ、その後にはNike Labからエアフォースワンをリリースして話題となった。

 

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http://www.acronym.de

 

ミリタリーやアウトドア(スポーツ)、モードなどの要素が備わる実験的なコレクションを
発表するブランド“ACRONYM”として2002年最初のシーズンをスタートして以来、生み出される
衣服は「究極のトラベルウェア」とも言われ、その革新的なコレクションは、多くの有名な
アウトドアやハイスペックなウェアを手がけるブランドに多大な影響を及ぼしている。

 

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http://www.acronym.de

 

特筆すべきは、これまでの経歴だけではなくその生産体制で、当初からチェコの小さな工房を
年間100%埋める事により、一切の妥協を許さないもの作りを可能にしている。

また、自身が GORE-TEX社のアドバイザーを務めていることで、常に最新の素材を使用することが
可能であり、GOREの新素材を使用した Acronym のサンプルをGORE社が営業用にオーダーし、
営業部隊がそのサンプルを持って、他のマウンテニアリング系ブランドに新素材の提案を行う
ことからも、その信頼の高さと結びつきの深さがわかる。

 

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http://www.acronym.de

 

通常ファッションシーンでは、「新しさ」が求められることが一般的であるが、Acronyumは
商品リリースの哲学として、毎シーズン新しいものを生み出す事というよりもリリース毎に
商品レベルを上げていく事をブランドポリシーとしている点においても、ファッションブランドとは
一線を画す要因になっている。

進化する機能性に反して、シーズンを重ねるごとにシンプルになっていくデザインは、デザイナーの
Errolson が、デザインのモットーとしている敬愛する SF作家 William Gibsonの言葉である
「インターフェイスは進化すると透明になる」 が影響しているとも理解できる。

20年前は街で携帯電話を持っている人が特異に見えたのが、今、その当時よりも機械としては飛躍的に
進化した携帯を持っている人が目にも留まらないという意味で、考えられるあらゆる能力を秘めながらも、
だれの印象にも残らない服が彼の理想形というのもうなずける。

本当に優れたデザインとは、当たり前に生活に溶け込み、普段の生活では意識されないようなものなので
あるということは度々耳にするが、一般的に「ファッション」と言われるデザインとはことなるベクトル
のようにも映るが、プロダクトデザインやアンビエントミュージックのようであり、そこに「ファッション」が
向かうべき一つの方向性が示されているようにも感じる。