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90'sリバイバルの只中で
視線の先に捉える
ファッションの行末

常に輝きを放つユースカルチャーと
幼児化する世界の親和性と憂鬱

いつの時代にも眩い光を放つユースカルチャーは90'sリバイバルとシンクロして世界を幼児化させる。画一化する世界とカルチャーに今何を想う。

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現在、ファッションに限らずとも地球規模で進行する90’sリバイバルに、食傷気味の方も少なからず
いらっしゃるのではないだろうか?

 

90’sをリアルタイムで知らない10代・20代の若者たちはいくら摂取してももたれないのだろうが、
特にファッションシーンのそれはとどまるどころか、勢いを増しているようにすら感じる。

 

Epokalでも度々登場しているVetements(台風の目となっているため、何かと情報が伝わってくる)や、
comme des garconsが生産をサポートしていることでも注目を集めるGosha Ruvchinsky(コレクションには
毎回フロントローに川久保玲氏が視察のために訪れる)は、VetementsのランウェイにモデルとしてGoshaが
登場していることからも、互いに面識があるのだろうが、以前この2つのブランドの共通点として「旧共産圏の
雰囲気」を感じることを挙げたが、それ以外にも世界中に広く知られているロゴマークのパロディ商品を発表し
人気を博していることも挙げられる。

 

それらは、30代のデザイナー達が自身のクリエーションのルーツの一つとして90’sがあるからではないだろうか。
90’sはサンプリングやミックスなどが広く一般的に浸透した時代でもあり、それらはもちろんファッションにも
大きな影響を与えているが、VetementsやGoshaのクリエーションからはそうしたことを強く感じずにはいられない。

 

そして、前述のパロディーロゴが、彼らがベースにしているユースカルチャーを象徴するようなアイテムとして、
人気を博していることは、90’sリバイバルの流れを決定づけているとも言える。

 

youth culture

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http://gosharubchinskiy.com/

Vetementsはドイツの大手運送会社であるDHLとChampionのロゴを、Goshaはアメリカのファッションブランド
であるTOMMY HILFEGERをロゴのパロディーアイテムを発表しているが、DHLはともかくとして、Champion
TOMMY HILFIGERのロゴアイテムは、さすがというべきか、怖いもの知らずというべきか、バックグラウンドに
ユースカルチャーを持つ彼らならではのセンスであろう。

 

そして、パロディーは誰でも知っているものに対して行われなければ意味がないことを考えると、Championや
TOMMY HILFEGERが持つ認知度の高さと、90’sリバイバルの旗手たちがリスペクトを込めてパロディーするに
値するブランド力を改めて世に示す事となったはずだ。

 

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L:http://www.vogue.com/ R:http://gosharubchinskiy.com/

上記の2ブランドだけでなく、90年代化が進行しているわけだが、それらは幼児化が進む世界(特に日本)に
おいては、おそらく当然の流れでもあり、ずっと大人になりたくない大きな子供の文化的な発露であるとも
考えられる。90年代という時代は、日本にとって非常に大きな転換期であったという指摘は至る所で目にするし、
SNSの登場がその流れを加速させていることも間違いない。

 

また、現在のファッションシステムの異常なまでの加速ぶりには、様々なクリエイターが意義を唱えている。
もちろん、ビジネスである以上売れなければいけないが、売ることを目的として作られた服にカルチャーは
創れない。

 

90年代に刊行され、世界でも高く評価された伝説の雑誌「DUNE」の故・林文浩氏はインタビューで、
日本の雑誌について、雑誌がビジネスであり、売れるか売れないかになってしまった結果、本当の意味での
エディターが不在で、才能やカルチャーを育てるものであるはずのマガジンがないということを発言している。

 

間違えないで欲しいが、食傷気味とは言えども90’sという過去を否定する気も、ユースカルチャー自体を否定する気も
全く無いし、売れること自体は何ら悪いわけではない。
むしろ、自分自身も90年代に生み出された奇跡のようなファッションシーンに大きな影響を受けている。

 

ただ、少なくとも私が知っている90年代はこんなにも単一ではなく、多様性に富んでいたように感じてしまう。
ユースカルチャーとテーラリングの融合で一躍スターダムを駆け上がったRaf Simonsの創ったスタイルは確かに
素晴らしいものであったが、同時期のMartin MargielaやHelmut Lang、Hussein Chalayan、Alexander Mqueenは、
様々なカルチャーや思想を背景にした非常にコンセプチュアルで奥行きのある衣服を創造し、哲学すら感じられた。

 

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昔はよかったなどと言った単なる懐古主義は馬鹿げているが、カルチャーを形成する要素の一つである
ファッションにおいても、やはり多様性は重要であり、多様性なくして新たなカルチャーは生まれてこない
のではないだろうか。

 

時代の流れは速さを増していく中で、ファッションが表面的で一過性の流行になろうとしている中で、
リバイバルは結構だが、ただのモノマネではないアップデートを期待したい。

 

そして、90年代をアーカイブし、それらを自らの手で現代にアップデートすることが出来る一握りのデザイナーや
ブランドには、パロディーではなく本家だからこそ持ちえるクリエーションを期待せずにはいられない。

 

その一例として、前述のGoshaにパロディーされたTOMMY HILFIGERはTOMMY JEANSのカプセルコレクション
において、ロゴを前面に押し出した商品を発表し、人気を博しているが、INSPIRATION CULT MAGが監修し
4人のインスタグラマーが独自の視点でTOMMY HILFEGERを切り取る『4 SENSE’S FOR TOMMY HILFIGER』では、
それらの商品をさらにTOKYO独自の感性でアップデートすべく、新たなミックススタイルを提案している。

 

90’sリバイバルに食傷気味の貴方もTOKYOから世界に発信されるNEW STYLEを是非チェックしてほしい。
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