ファッションベースの
感性の強みと弱み
ジャンルを超えるクリエーションに
ファッションがある心強さ
3LDKの空間をあたかもワンルームのように表現できるジャンレスの感性の土台にファッションがありました
以前Tsé&Tséでファッションとライフスタイルブランドの境界線を取り上げましたが、
今回は、彼女達よりもよりファッションに近く遠いように思えるクリエーターを話題にしたいと思います。
julie verhoeven ジュリー・ヴァーホーヴェン
グラフィックデザイナー・イラストレーターとして有名な彼女ですが、
彼女はTsé&Tséとは違い、ベースにファッションを持っている人物です。
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様々なメゾンとのコラボは後の話で、逆にファッションのリングに一度出たから出せる表現なのかもしれません。
ファッション業界は、業界に群れる傾向に多くあり、建築業界からも最近はバカにされることも度々。
ですが、その建築業界の方々も背中に4つのステッチブランドを着こなしながらダサい人も多い。
お互いに説得力のない攻防が続いているように感じます。
学校の先生や公務員のように、一度外でアルバイトをした方が世の中がクリアに見える時はあります。
ほんの数年の社会インターンは、今後のクリエーションを変えるかもしれないことをjulie verhoevenは教えてくれます。
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クリエイティブな家庭で育った彼女はファッションが好きでした。大学のコースでは幅広く学べたのも幸運で、
その後St Martinsに入学する気だったようですが、
受け入れられずジョンガリアーノの元で第一アシスタントでキャリアを積みます。
再度、St Martinsを受けたようですが、不合格だったようです。
ガリアーノの元でデザインリサーチからプリントデザイン、イラストレーションと多くを学んだ彼女は、
ジュエリーやイラストレーションの道を追求し始めます。
ただ、今のようにファッション関係やイラストレーションの仕事には恵まれなかった。
マルティーヌ・シットボンのコレクションデザインでテキスタイルやアクセサリーをフリーランスで受け、
徐々に発展していったようです。
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マルティーヌ・シットボンの同僚がハイクオリティOEMであるGIBOではたいており、GIBOの自社ブランドを作る際に
ジェリーが同僚の推薦もあり抜擢されました。そこからファッションのリングへ再び戻ってきたのです。
その後ファッションとアートとイラストレーションの3LDKの空間をあたかもワンルームのように表現していきます。
個展も積極的に開催し、ファッションイラストレーターというポジションを自然と強化していきました。
そして、さらなるジャンルである音楽の分野でもミュージックビデオやジャケット等、幅を広げていきました。
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90年代になると新しいファッションエディターの活躍もあり、
エディトリアルでイラストレーションを使うことが定着していき、
Dazed and Confusedは彼女を支持した雑誌の1つでもありました。
数ページのエディトリアルの仕事もファッションストーリーまで
担当するようになったころ、マーク・ジェイコブスの熱烈なオファーで
2002年SSにモノグラムコサージュを誕生させます。
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いっけん近いようで遠いそれぞれの仕事をファッションとイラストとクリエイティブで繋いでいったジェリーは、
各ジャンルのプロから見ると嫉妬を覚えるに違いないです。
ただ、これは彼女がファッションがベースにあるということがポイントで、
グラフィックデザイナー・アートデザイナー・クリエイティブディレクター上がりでは、
けして乗越えることができない境界線がファッションというセンスと感度にはあると思います。
そして、彼女はデザインコンサルタントとしてのキャリアを同時に積んでいくのです。
以前にもヴィンセント・ギャロの記事やファレルのRAW For The Oceans でも書いたように、
ジャンルを超えるための哲学と知識、異物としてのファッションが新たな異物のファッションを構築すると考えています。
見捨てられつつあるモードやファッションは、地域活性化のそれと同じように、鳥の目を持った外からの人が異物として、
刺激を与えていくのかもしれません。
ただベースにファッション感度があるかないかでは、格が違うことをジェリーが教えてくれているかもしれません。
ファッションは社会見学という外の空気と世の中を知る必要がある時期なのかもしれませんね。
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