ザハ・ハディッドとレム・コールハース、坂茂とchalayanに見る建築とファッションの関係性 | Epokal

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建築とファッションの
近くて遠い関係性
刺激が想像する未来像

本質を共有する建築とファッション
両者が関係することで新たに創造
される未来像とは一体!?

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建築とファッションの
近くて遠い関係性
刺激が想像する未来像

本質を共有する建築とファッション
両者が関係することで新たに創造
される未来像とは一体!?

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建築とファッションの近くて遠い関係
刺激が創造する未来像

本質を共有する建築とファッション
両者が関係することで新たに創造される未来像とは一体!?

別稿の「境界線上で揺れるファッション」では、ファッションとアートなど
他の領域との関係性を問い直すことで、新しい表現が生まれていることを
簡単にご紹介した。
ファッション=衣服とした場合、それと建築の関係というと人によっては
全く違うものと考えるかもしれないが、アートと同様に建築と
ファッションにも密接な関係性が存在する。
身体と外界の間に存在する何かという観点から見れば、むしろ衣服と建築は
ほぼ同様のものであるとも考えることも可能であり、実際にそのような
指摘は以前からされてきた。
2020年の東京オリンピックのメインスタジアムのデザインが賛否両論を
巻き起こしたザハ・ハディドや建築理論の著作やプラダの店舗デザイン等で
知られるレム・コールハースを叔父に持つレム・D・コールハースといった
建築家は、ファッションの領域でも特にシューズデザインを行って注目を集めている。

 

建築とファッション011-001

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建築とファッション011-002

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ファッションとは非常に曖昧なデザイン領域である。
常に同じベクトルに進んでいるわけではなく、一見すると退化することが
進化に繋がることも往々にして考えられる。
例えば、90’sが大々的にトレンドとしてクローズアップされているが、
昨日まで見向きもされないような時代遅れであったものが、明日には
それが最先端のファッションに反転することは日常茶飯事だ。
今、この瞬間にこの世の中で一番ダサいと皆が共通して考えているものが、
次のトレンドになる可能性を最も秘めている。
それに比べ、例えば建築デザインはどうだろうか?流行のスパンが
ファッションとは比べ物にならないくらいに長く、現代において1930年代から
1940年代にかけて流行したロックフェラーセンタービルの様なアールデコ様式の
建築物が現代に建造された時、
果たしてそれらは私たちの目に再び新しいものに映るだろうか?

また、先ほど例に挙げた建築家が手掛けたシューズデザインがファッションとして
成立するかと言えば、私個人の意見としては否と言わざるを得ない。
ファッションに限ったことではないだろうが、それぞれの領域には不文律のような
コードが存在し、デザイナーが領域の異なる分野でデザイン行為を行う場合には、
このコードを理解しているかどうかは非常に大きなファクターとなる。
そして、ファッションデザイナーの多くはこのコードを読み取る能力に長けている。
建築家に限らず、他の領域のデザイナーが衣服をデザインすると非常に間の抜けた
モノになることが多いが、ファッションデザイナーが他の領域のモノ、プロダクトや
インテリア、ファーニチャーなどのデザインを行ってもそうはならない。
このことからも、ファッションがいかに高い感度を必要とするかがわかる。
マルジェラは以前から衣服だけではなくインテリアグッズをデザインしてきたが、
最近では、ホテルの部屋を丸ごとプロデュースしている。

 

建築とファッション011-004

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建築とファッション011-005

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話を本題に戻そう。

建築とファッションは、前述の様に人間と外界を隔てるものとしては本質的には
同様の機能を有するものと考えられるものの、両者は交わることは少なかった。
しかし、1980年代以降次第に接近し始め、互いの領域を超えて交わりながら新たな
可能性を模索してきた。
今回紹介するのは、今年のプリツカー賞も受賞し、私個人的に日本人建築家として
最も好きな建築家である坂茂である。
近年は、構造材料として紙管を使った難民キャンプや被災地での仮設住宅が有名で、
また木材の可能性も追求している。

 

建築とファッション011-006

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建築とファッション011-007

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そんな坂茂氏の仕事の中で、ファッションと建築の関係性を最も如実に示している
と考えられるのが、有名な「カーテンウォールの家」だろう。
本来は構造体の内側に存在するカーテンの生地を建築の外壁として用いたものだ。
居住者は柔らかな布に包まれている様な感覚になり、建築と衣服の境界を曖昧にしている。

 

建築とファッション011-008

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この「カーテンウォールの家」は建築とファッション、または衣服が我々人間に
とって身体を守るという本質を共有していることを非常に明確に表現している。
ファッション側からの提案でいえば、Epokalの記事では度々登場している、
Hussein Chalayanの「After Wars」コレクションであろう。
このコレクションは戦争で亡命を迫られるという設定のもとに創作されたもので、
しばしば内戦が起きていたキプロス出身のデザイナーならではのリアリティーも
持ち合わせた優れたコレクションとして評価が高い。

 

建築とファッション011-009

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建築とファッション011-010

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椅子やコーヒーテーブルがしつらえられた家庭の居間というセットの中で発表された
コレクションでChalayanは、セットにおかれた家具を服へと変換させた。
このコレクションをはじめとして、衣服によってChalayanは身体の防御柵を作ろうと
試みているように思える。
ここ30年あまりの間に急激に接近し始めた建築とファッションは、テクノロジーの
発達によりますます距離が近づいて行くことが考えられる。
人の生活に欠くことのできない衣と住が互いに刺激しあうことで、それぞれの概念
そのものが覆され、想像もしないような未来がやってくるかもしれない。
ファッションも建築も、その領域だけで完結してしまうものではなく、互いに意識
しあうことで、新しい創造を行って行くべきなのであろう。

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